楽しく描いていたキャンバスを、いきなり真っ黒に塗りつぶされる。絵チャの荒らしはこれが一瞬で起きます。
このとき多くの人がまず「元に戻すボタン」を探しますが、他人が描いた荒らしは、取り消し機能では消せません。使う機能がそもそも別なのです。
ここではマジカルドロー(マジドロ)を例に、荒らされた直後にやることの順番と、事前にかけておける設定、そして「犯人を特定できるのか」への答えをまとめます。
絵チャの荒らしで、できること・できないこと
先に全体像です。荒らし対策は「止める」「戻す」「防ぐ」の3つに分かれていて、それぞれ使う機能も、必要な権限も違います。
| やりたいこと | できる? | 使う機能 |
|---|---|---|
| 荒らしをその場で止める | できる | BAN(強制退出) |
| 荒らされたキャンバスを元に戻す | できる | キャンバスタイムシフト |
| 他人の描画を1本だけ消す | できない | —(取消は自分の描画のみ) |
| これ以上入ってこられないようにする | できる | パスワード・Twitter認証 |
| 荒らしのIPアドレスを見る | できない | — |
| 誰が荒らしたか名前で分かる | 条件つき | Twitter認証を必須にしていた場合のみ |
「取り消し」では荒らしは消せない
マジドロの描画取消は、自分が直前に描いた1ストロークを、5秒以内に限って取り消す機能です。他の参加者が描いた線には最初から効きません。
荒らしはたいてい何十本も線を引いていきますから、仮に効いたとしても間に合わない仕組みです。荒らされたキャンバスを戻すのは、あとで説明するキャンバスタイムシフトのほうの役目になります。
オーナーでないとできないことがある
BANもタイムシフトも、ルームを作った本人(オーナー)の権限です。参加者として入っているだけの人は、荒らしを止めることも、キャンバスを戻すこともできません。
参加者側にできるのは、自分の絵を画像として手元に保存しておくことと、オーナーに知らせることの2つです。オーナーが席を外しがちな部屋では、あらかじめサブオーナーを立てておくと、この穴を埋められます。
荒らされた直後にやることの順番
ここを間違えると、せっかく戻したキャンバスをまた上から荒らされます。止めてから戻す、が鉄則です。
- BANで追い出す:参加者リストから該当ユーザーを選んでBANします。これで描画も入室も止まります
- パスワードをかける:BANだけだと、名前や環境を変えて入り直されることがあります。ここでルームにパスワードを設定します
- タイムシフトで戻す:入口をふさいでから、荒らされる前の時点にキャンバスごと復元します
先に3番をやってしまうと、まだ部屋にいる荒らしがそのまま描き続けるので、復元した意味がなくなります。慌てているときほど順番だけは守ってください。
キャンバスを荒らされる前に戻す
マジドロのキャンバスは数分ごとに自動保存されています。この保存点のどこにでも巻き戻せるのがキャンバスタイムシフトで、荒らし被害からの復旧はこれ一択です。
操作の手順と、どの時点を選べばよいかは絵チャの復元のやり方で詳しく説明しています。荒らしに遭う前に、一度だけ試して場所を覚えておくと本番で迷いません。
部屋を作り直したほうが早い場合
荒らしが複数人で来ているときや、BANしても次々に入ってくるときは、追いかけるより新しい部屋を立てたほうが早いです。
その場合はキャンバスを画像として保存してから閉じ、新しい部屋のURLを参加者へ個別に送ります。新しいURLをSNSの公開投稿に書かないのがポイントで、ここで漏らすと同じことの繰り返しになります。
荒らしの犯人は特定できるのか
結論から言うと、個人を特定することはできません。絵チャツールのオーナー画面には、参加者のIPアドレスも、端末情報も表示されないためです。
ネット上の記事に「IPを特定して拒否する」と書かれていることがありますが、少なくともブラウザで動く絵チャツールに、利用者がIPを見られる画面はありません。期待して探すと時間を無駄にします。
分かるのは「部屋の中での名前」まで
オーナーが把握できるのは、参加者リストに出ている表示名だけです。匿名で入れる設定にしていれば、その表示名も本人が自由に決めたものなので、手がかりにはなりません。
ただしTwitter認証を必須にしていた部屋なら、どのアカウントが入っていたかは分かります。悪質な相手を今後入れたくないときは、この設定が唯一の実用的な手がかりになります。
特定を追うより、入れなくするほうが早い
荒らしの多くは、たまたま公開ルームの一覧から入ってきた通りすがりです。相手を突き止めることに労力を使うより、次から入れない部屋にするほうが確実に効きます。
最初から仲間内だけで描くなら、絵チャを友達だけで楽しむ方法のように非公開ルームで立ててしまうのが、いちばん手間のかからない対策です。
荒らされる前にかけておく4つの設定
荒らし対策は事前が9割です。部屋を立てるときに、次の4つを状況に応じて選びます。
- 入室パスワード:いちばん効く。知らない人は入れない
- Twitter認証を必須:匿名では入れなくなる。誰が来たか残る
- 機能制限:コピーやレイヤー統合を無効にして、被害を広げにくくする
- サブオーナーの指定:自分が離席している間もBANできる人を置く
機能制限は被害を小さくする設定
コピーやレイヤー統合が使える状態だと、荒らしは一度の操作でキャンバス全体を壊せます。逆にここを止めておけば、荒らされても手描きの線が残る程度で済みます。
参加者にとっては少し不便な設定なので、誰でも入れる公開ルームのときだけオンにするという使い分けがおすすめです。
公開ルームで人を集めたいときの折り合い
パスワードをかけると荒らしは減りますが、新しい人も来なくなります。交流目的で部屋を開くなら、パスワードは使わずに、機能制限とサブオーナーで守る形が現実的です。
人を呼びながら安全に運営するコツは絵チャ公開ルームの作り方にまとめてあります。
絵チャの荒らし対策まとめ
- 他人が描いた荒らしは、取り消し機能では消せない。使うのはキャンバスタイムシフト
- 順番はBAN→パスワード→復元。先に戻すと、また上から荒らされる
- BANもタイムシフトもオーナーの権限。離席するならサブオーナーを立てる
- IPアドレスは見られないので、個人の特定はできない
- 事前対策はパスワード・Twitter認証・機能制限・サブオーナーの4つから選ぶ
荒らしに遭うと、その部屋そのものが嫌になってしまいがちです。ただ、止め方と戻し方さえ知っていれば、被害は数分で片づく程度のものになります。
部屋を立てる前に、この記事の4つの設定だけ思い出してもらえれば十分です。
